路地裏大戦争
「お疲れーっす。」
オレが入ったのは、
明らかにヤバそうな店。
タバコの煙で白く曇った店内。
アルコールの匂い。
スーツを着くずしたオニイサンたち。
「よう、梓。遅かったな。」
(オレの名前、梓。覚えてた?)
いちばんに話しかけてきたのは吉田さん。
オレの面倒みてくれる。
27歳、おっさん。
「すんませーん。グレープフルーツの
ゼリーなくて悩んじゃって。」
「まったく、のんきだな、梓は。
今日は会長来るってのに。」
近付いてくるのはリョウさん、22歳。
あ、まだ意味わかんねぇだろ?
オレが入ったのは、簡単に言っちまえば
"ヤクザ"の仕切る店(夜間営業)。
カウンターでシェイカーしてるアキさん、
ビール運んでる山田さんは
うちのチームに良くしてくれてる。
ただ、
普通のヤクザと違うのは…。