あたしの幼なじみ


『とにかくフロントに電話したのか?』

笑いをやっと止めた健人が聞いてきた。

そう言えば・・・
言ってない・・・。

『まだ・・・。』

『そんなことだろうと思った。
お前って昔っから頭は良かったけど
変なとこ抜けてたもんなぁ!!』

『う・うるさいッ!!』

『まぁ、落ちつけよ。
俺がフロントに電話するから、
お前はみんなに遅くなるって言い訳してこい。』

『へ?何で??』

『お前話全然聞いてないんだな。
みんなでホテルでご飯食べるっていってたから、
ロビーに集合なんだとさ。
わかったら遅くなるって言って何処の店か聞いてこい!!』

『はいッ!分かりました!!』

同い年で幼なじみなのに
敬語って・・・。

そう思いながらあたしはロビーに向かった。
記憶力だけはいいのがあたしの唯一の救い。

道順はわかったけど
なんて言い訳しようかなぁ・・・。

考えていたら
ロビーに着いた。


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