聞いて、姉貴



……遅い。

遅すぎる。


いや、まだ9時を過ぎたところだし 時間的には決して遅くはないんだけど……

バイトをしていない姉貴は、いつも6時には帰宅していた。

それに遅くなる時は決まってメールを入れてくる。



それが今日に限って、無い。



……何かあったのか?


それとも…アイツとヨロシクやってんのかよ?


ふと、姉貴の服装を思い出す。

そういえば姉貴は、アイツと会う日はいつも似たような格好をしていた。


だとしたら今日も──…




カァッと頭に血が上る。


慣れたはずなのに。

アイツと笑い合う姉貴を思い浮かべるだけで、胸が苦しくなる。



< 108 / 180 >

この作品をシェア

pagetop