聞いて、姉貴
……遅い。
遅すぎる。
いや、まだ9時を過ぎたところだし 時間的には決して遅くはないんだけど……
バイトをしていない姉貴は、いつも6時には帰宅していた。
それに遅くなる時は決まってメールを入れてくる。
それが今日に限って、無い。
……何かあったのか?
それとも…アイツとヨロシクやってんのかよ?
ふと、姉貴の服装を思い出す。
そういえば姉貴は、アイツと会う日はいつも似たような格好をしていた。
だとしたら今日も──…
カァッと頭に血が上る。
慣れたはずなのに。
アイツと笑い合う姉貴を思い浮かべるだけで、胸が苦しくなる。