聞いて、姉貴





「…おい、なんだよその服」


「どう?似合う?」



それは 突然の出来事だった。

いつものように洗面所に割り込んできた姉貴。

だが、すぐに異変に気づいた。



─…なんて格好してるんだよ。


「似合うっつーか…短すぎだろ」


パンツが見えんじゃねぇか?ってぐらい短いデニムスカートを履いて、何やら得意気に笑っている。


そして、

「今のあたしにはこれくらいがちょうどいいの!」

なんて言いながらクルクルと回り出す始末だ。



「陸、あたし、行ってくるよ」


その晴れ晴れとした表情を見て、俺は一瞬で悟った。


「行くって、アイツのとこ?」

「…うん」


解放感たっぷりの笑顔。



……そっか。


決心がついたんだな。




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