聞いて、姉貴
「…じゃあ、俺は向かいの本屋で時間潰してるわ」
「ありがと。じゃあ、行くね」
軽く手を振って、姉貴を見送る。
本当は中までついていくつもりだったけど、見つかったら困るから と姉貴が拒んだ。
仕方無しに、俺は向かいの本屋からウィンドウ越しにアイツの動向を探ることにした。
って…めちゃめちゃ怪しいヤツじゃん、俺。
周囲をキョロキョロしながら、姉貴は窓際の席に腰を下ろした。
…馬鹿!
そこだとポスターが邪魔でよく見えねぇだろ!
結局、俺が蟹歩きで移動するハメになっちまったじゃねーか!
…クソー…恥かかせやがって。