聞いて、姉貴
その夜。
俺は親の目を盗んで、こっそりエロ本を部屋に持ち込んだ。
いつでもごまかせるように漫画本の間に挟んで、ベッドの上でこっそり開いて。
ページをめくれば、そこに広がるのは俺の知らない大人の世界。
エロとかスケベとか、そんな単語で片付けられない程の衝撃があったのを覚えてる。
時間を忘れて食い入るように読みふけって、気づけば夜になっていた。
夢中で。
夢中になりすぎていて、気づかなかった。
「…ねー、陸」