聞いて、姉貴




「それ。写真、だよね。あたしの……」


『何で陸が持ってるの?』

そう言いたげな目をして、姉貴が問いかけてくる。



もうこうなったら、言い逃れなんて出来ない。


「だ、だから何だよ!持ってちゃわりぃかよ!」


「そうゆうわけじゃないけど…」


開き直る俺に、納得がいかないのか視線を反らす姉貴。


最悪だ…

穴があったら入りてぇ。



「…昔、親父がくれたんだよ。俺、自分が生まれる前の姉貴がどんなんか知らなかったし……」


本当は自分から欲しいって言ったんだけど。

それはさすがに言えなかった。


「別に、たまたまそこに置いてただけだし。滅多に見ねーし…」

「滅多にってことは、たまには見るんだ?」


必死に取り繕う俺に、姉貴がニヤリと笑う。


「バッ…見るわけねぇだろ!」


ついムキになって反論する俺。

でもきっと、顔が真っ赤だからバレバレに決まってる。

当の本人は ハイハイ、そうですか、とでも言いたげに笑ってやがるし。

どうやら余計に墓穴を掘ってしまったらしい。


マジで…ツイてねぇ。


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