聞いて、姉貴
もっと可愛いのあるもんね!と、姉貴が夢中でページをめくる。
…そんなことしなくたって、姉貴は十分可愛い。
この俺が嫉妬するほど。
「あ、このあたし、可愛い!」
……うん。それも可愛い。
心の中で相槌を打つ。
それにしても…小さいな。
俺たち、こんなに小さかったっけ──…?
「なに、シカト?」
「いや…小っせぇーと思ってさ」
この頃はまだ、恋とか愛とか、そんなん全然知らなくて──…
何もかもが真っ白で。
悩みなんか何も無くて。
いつからだっけ?
姉貴に恋して、こんなに好きになって。
気がつけば、溺れてたんだ……