聞いて、姉貴


心臓が止まるかと思った。

ハッとして顔を上げると、仁王立ちのまま俺を見下ろす姉貴がいたから。



「ま、まや…」


「今隠したの、何」


「え…」


「それだよ、それ!」


ビシッと姉貴が指を差したのは、今まさに慌てて閉じたエロ本の裏表紙だった。


逃げられないと観念して、おとなしくそれを渡すと。



「な、な、な、なにこれー!!」



姉貴は俺以上に衝撃を受けたらしい。

すぐに白目を剥き、顔はゆでダコみたいに真っ赤になっていた。


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