聞いて、姉貴




「こ、これっ…」


姉貴が小さく声をあげる。



視線の先にあるのは、少し色褪せた一枚の写真。


……布団の中で寄り添う、幼い俺と姉貴の姿がそこにはあった。


それだけならいい。

けど。

よくよく見れば……


姉貴が、眠る俺の頬にキスをしていたんだ───。




普通、だよな?

こんなの、仲の良い姉弟の微笑ましい写真だろ?





なのに、何でだよ。



何で姉貴は…そんな顔してるんだよ。


まるで見てはいけないものを見てしまったような、そんな顔をしてる。



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