聞いて、姉貴
今朝、確かゆみさんと出かけるって言ってたはず。
もしかして、また迎えに来いとかそんな用件か?
「…もしもし。姉貴?」
不思議に思いながらも通話ボタンを押すと。
『陸っ…助けて…うっ』
────え?
聞こえてきたのは、嗚咽交じりの姉貴の声。
一瞬耳を疑った。
だけどすぐに、体中から血の気が引いていく。
「っ、すぐ行く!」
そして気づけば、靴を履くのもうやむやに、外に飛び出していた。
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