聞いて、姉貴
「──姉貴!」
商店街の路地裏。
小さくうずくまる姉貴の姿を見つけ、慌ててかけ寄る。
「……陸っ、あたしっ」
「大丈夫!大丈夫だからっ」
そして、震える体を 思いっきり抱きしめた。
「…あたし、怖くてっ…」
「うん」
「…足、震えてっ…、」
「うん」
大丈夫。
もう大丈夫だから、姉貴。
俺がいるから。
そう言って頭を撫でてやると、姉貴は俺の胸に顔を埋め、子供みたいにわんわん泣き出した。
──ごめんな、姉貴。
怖い思いさせてごめん。
もっと早くかけつけてれば良かった。
自分自身に腹が立って、唇を噛んだ。