聞いて、姉貴
「……でも、ほんとに良かった。姉貴が無事で」
姉貴の髪を、そっと撫でる。
ふいに絡まり合う視線。
恥ずかしそうに視線を反らした姉貴に、俺は思わずおでこにキスをした。
「くすぐったいよ」
そう言って、頬を桜色に染める姉貴。
「………好き」
気づけば、そんな言葉が飛び出していた。
「りく?」
「物心ついたときからずっと、姉貴だけを見てきた」
ずっと ずっと
手に入れたくて仕方なかった
大好きなひと
塞き止めていた想いが いっきに溢れ出して止まらないんだ。