聞いて、姉貴



「1年前のキスも…?」


思い出したように、姉貴が問いかけてくる。



「……あ。バレた?」


「なっ!覚えてないって言ったくせにっ」


頬を膨らませて、俺の胸をポカポカと叩く姉貴。


「…わりぃ。あの時はマジで我慢できなかったんだよっ」


「だからって、あたしだけがドキドキしてバカみたいじゃん…」


「ふーん。ドキドキしてたんだ?」


そう言って悪戯に笑ってみせれば、案の定言葉に詰まって視線を反らす。



そんな姿が可愛くて。


ついつい頬が緩んでしまう。





──愛しいんだ。


愛しくて、仕方ない。




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