聞いて、姉貴
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瞼が重い。
重いのに、眩しくて──…
あぁ、もう朝か。
なんて、まだぼんやりとした頭で考えていると。
──カタン。
ふいに、足元のほうで音がして、俺はうっすらと目を開けた。
………あれ?
「………姉貴?」
俺が声をかけると、一瞬ビクッと肩を揺らして、ゆっくりとこちらを振り返る。
幻…じゃないねぇよな。
ダメだ。
上手く頭が働かねぇ。
「ご、ごめん。起こしちゃった?」
慌てたように、姉貴がかけ寄ってくる。
「…や、へーき……」
──それにしても。
「……姉貴、なんでいるの?」
「えっ…あ、お母さんに起こすよう頼まれて」
「……ふーん」
良かった……
どうやらこれは現実らしい。