聞いて、姉貴
中学に入学した頃から、少しずつ自分の想いに疑問を持つようになった。
実の姉貴が気になる─…
恋とか愛とか、よく分からない感情。
それでも意識すればドキドキするし、身体が熱くなる感覚さえ覚える。
一番のキッカケは、学年1美人と言われる同じクラスの女に告白されたときだった。
確かにそいつは一般的に見たら美人だし、皆が騒ぐのは分からなくない。
でも─…どうしても、アイツ、姉貴と比べてしまう。
一つ一つの行動を見ても、姉貴だったら、姉貴なら、といちいち結びつけてしまう自分がいて、ようやくそれが普通の感情ではないことに気づいた。
それを認めてしまった瞬間、事の重大さにしばらく愕然とした。
抱いてはいけない感情。
血の繋がった近親者への恋心。
だけどその頃には、自分の気持ちに歯止めが効かなくなっていたんだ。