聞いて、姉貴
サンタの存在を未だに信じ続ける姉貴に、母親は毎年プレゼントを用意していた。
「純粋すぎるのも困っちゃうわ」
なんて苦笑いしながらも、結局姉貴の欲しがっている物を用意している。
そして、これはついでだけど、と
必ず俺にもくれるのだ。
そんなとか、あぁ、俺たちは愛されてるんだなと実感した。
「でもあいにく、お母さん今夜夜勤なの。陸、真弥の部屋に置いといてくれる?」
お願い!と手を合わせる母親に、俺は渋々包みを受け取った。
…今夜は俺がサンタクロースか。
面倒なはずなのに、なぜか浮き足立つ自分がいた。
早く姉貴の笑顔が見たい。
夜になるのが待ち遠しくて仕方なかった。