聞いて、姉貴
そっと、姉貴の髪に触れてみた。
細くて艶やかな髪の毛に指を通し、サラサラと流す。
そして、震える手で、その白い頬に触れた。
一瞬だけ、ピクリと瞼を動かした姉貴。
だけど気づくことなく、再び寝息を立て始める。
続いて、唇。
一瞬触れるのを躊躇った。
だけど、好奇心がそれを促した。
暗闇の中で薄い桜色に浮かびあがった唇。
それを、人差し指でそっとなぞってみる。
もどかしいのか口が微かに開いた瞬間、俺は慌てて指を離した。
……制御できなくなりそうで。
キスしてしまいそうだったんだ。