聞いて、姉貴
身代わり
俺たちには幼なじみがいた。
……俺の運命を変えた女。
名前は梓。
ガキの頃からわりと仲が良くて、年のわりに大人っぽい、というかませていたのかもしれない。
中1の冬休みに入る前、つまりクリスマスの直後。
俺は梓に告白された。
どうやら、ガキの頃からずっと思いを寄せてくれていたらしい。
単純に嬉しかった。
梓は当時ショートカットで、さわやかな雰囲気が姉貴に似ていたんだ。
顔だって申し分ないくらいに可愛い。
料理も上手いし、何よりよく気が効く子だった。
返事はもちろんOK。
即答だった。
彼女は嬉しそうに涙を流して喜んでいた。
そして、俺は、
そんな彼女の涙に罪の意識を感じていた。