聞いて、姉貴
「陸!これ!これ!」
それは突然の出来事だった。
姉貴が一冊の雑誌を片手に、ノックもせずに部屋に飛び込んできたのだ。
「何だよ。ノックぐらい…」
「陸!モデル!最終通った!」
「はぁ?」
よほど興奮しているのか、訳の分からない単語をちぐはぐに叫ぶ姉貴。
けれど。
姉貴がおもむろに差し出してきた雑誌の中身を覗いた瞬間、俺は自分の目を疑った。
『No.13 陸クン(中3)』
そう書かれた文字の下に、見覚えのある顔。
いや、見覚えがあるも何も、これ俺じゃん!!