聞いて、姉貴
「陸くんは普段なにをして遊んでるの?」
「…お絵描き。と、おままごと」
近所のおばさんは、そんな俺を「女の子みたいね」と笑った。
悪意は無かったに違いない。
それでも俺はなんだか馬鹿にされたような気分で腹が立って、翌日おばさんの家をピンポンダッシュしたことを覚えてる。
……小さな、世界。
退屈で、窮屈で、
抜け出したいのに抜け出せない、そんな小さな世界に俺はいたんだ。
──だけど。
そんな日常で、たった一筋の光があった。
……それが、真弥。
君だったんだ。