聞いて、姉貴
姉貴は「そっか」と笑っただけで、それ以上は何も言わなかった。
そして。
数分後には、スヤスヤと寝息を立て始めていて。
……ホッとしたような、残念なような、複雑な気持ちだった。
きっとこの先も、俺の想いが姉貴に伝わることはないだろう。
言いたくても言えない。
それは俺たちが“姉弟”だから。
──俺の想いは、永遠に一方通行なんだ。
奇跡でも起きない限り、この恋が報われる可能性はゼロ。
それなのに、
分かっているのに、
想い続けてしまう──。
運命なんてくそくらえだ。
俺はこの日初めて、自分の立場を呪った。