聞いて、姉貴
俺には姉貴がいた。
年は二つ上。
名前は、真弥(マヤ)。
姉貴は俺と対称的に健康で、とにかく底抜けに明るかった。
女の子なのにおままごとやアクセサリーなんかに全く興味を持たず、男たちに混じってサッカーをしたり、怪獣ごっこばかりをしていたような気がする。
おまけに 姉貴は強かった。
精神的にも、肉体的にも、ひ弱な俺とは比べ物にならないくらい 強い女の子。
俺がいじめられればすぐに飛んできて、相手を殴り飛ばしてくれる。
悪ガキの家に一人で乗り込んでは、俺の大切なおもちゃを取り返してくれたりもした。
俺は、そんな姉貴が羨ましくて、大好きだったんだ。
バカバカしいかもしれないけど、この頃は 大人になったら姉貴と結婚したいとさえ思っていた。