聞いて、姉貴



俺の言葉にカチンときたのか、姉貴はあからさまに頬を膨らませてみせた。


「…何よ、可愛くない」

「可愛くなくて結構」



むしろ、そんな感情いらない。


可愛いだの、

自慢だの、


お前がそんな風に俺を弟扱いする度に、胸が痛くて、苦しくて仕方なくなるんだよ。


だから俺は、必要以上に近づかない。


自分が傷つきたくないが為に。

そして、二度と同じ過ちを犯さない為に。





< 78 / 180 >

この作品をシェア

pagetop