聞いて、姉貴
芽生え
今でも鮮明に思い出す、小学3年生の運動会の日。
体調が少しずつ良くなっていた俺は、先生の勧めで初めて運動会に選手として出場することになった。
種目は、障害物走。
正直、リレーどころかまともに走ったことも無い俺は、不安で不安で仕方なかった。
競走直前に仮病をつかって休もうとも考えた。
それでも、俺の晴れ舞台を楽しみにビデオカメラを回す両親の姿を見たら、そんな考えはすぐに消えて無くなった。
そして案の定、俺は跳び箱に失敗して転倒した。