聞いて、姉貴


「…だから何?」


思ったことをそのまま口に出してみた。

すると姉貴は、一瞬ムッとしたように唇を尖らせて、

「…だって身近で相談できるの、陸ぐらいだし」

そう小さく呟いた。


…確かに、姉貴は男友達ってのがいねぇもんな。

と、一人納得していると。


「返事、来週までに聞かせてほしいって言ってる!どうしたらいいと思う?」


不安とか焦りとか、いろんなもんが混じりあった表情で、姉貴は俺にすがりついてくる。


「…つかさ、それ、人に聞くことか?」

俺に、どうしろって言うんだよ。


「だって分かんないんだもん。まだ名前と年しか知らないし」

「俺の方が尚更分かんねーよ!」

つい口調が荒くなる。



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