*+あえる日まで・・・上**+
「なに?」

「山田先生が、美月にって…」

とりあえず、つつを受け取り、開けてみた。

――パコッ。

「あっ」

「賞状?」

筒の中に入っていたのは、絵画コンクールの賞状だった。

見事、優秀賞。

「ありがと。山羽知くん」

「別にいいってそんなの…」


「ホントにありがとう」

……にこっ。

私は、笑顔で言った。

もちろん、“つくり”笑顔……だ。


「じゃ、じゃな!!(赤面)」

なぜか、山羽知くんの顔が赤かった。

なんで?


「うん……?」


(ねぇ美久…もしかして…)
(山羽知って…)
((鈴のこと…“好き”?))


後ろで麻唯と美久がコソコソなにか、話してる。

なんで??

――5分後。

「バイバイ!」

「また明日ね。鈴」

「うん!」




二人と別れて、帰る途中。


RiRiRI……。

ケータイが鳴った。

「ん?ケータイ?」

鈴に電話が来た。

ピッ。

「もしもし?」

鈴は、電話に出た。

「もしもし。鈴?」



え?この声は…………。

「俺のことわかる?」

「うそ……“一哉”?」

「あったりぃー」


久しぶりの一哉の声。

少し大人ぽくってどきっとした。

…ちょっと嬉しくて、涙が出そうになった。









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