この青い空を



「目覚めたのね…」



お母さんが、あたしの顔を覗き込んでいた。



「あたし…」



慌てて起きあがろうとすると、お母さんがそれを止めた。



「足骨折してるらしいから、安静にしてなさい」



あぁ…


海斗に思いっきり蹴られたところだ。



「海斗は…」


「海斗君なら、病院に連れてきてくれたわよ。逮捕されちゃったけど…」


「そうなんだ」



その言葉にホッとした。


これで、束縛から解放された。



「お父さん…」



お父さんは、涙目になっていた。


お父さんの泣き顔は、初めて見たかもしれない。



「これぐらいの怪我で安心した…」



お父さんは、そうしんみり言っていた。



「今日は、ここで寝なさい。お母さんが泊まるわ」


「ありがと…」


「そろそろ、10時ね。お父さんは帰る??」


「あぁ…美桜も家で泣いてるしな…」



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