この青い空を
「別にそれは納得してるよ。あたしじゃ颯斗は幸せになれないと思ったから…」
「それが迷惑っつてんだよ!!」
目が違う。
何か怖い。
凄い形相でこっちを見る楓ちゃん。
「分かってるよ。だから、こうやって、自分の気持ちは心の奥に…」
「だから…それも迷惑。いっそ死ねって感じ」
「………」
楓ちゃんは、よくそんな簡単に死ねなんて言えるよね…。
病気や事故で生きられない人もいるのに…。
「お前最低だな。颯斗君にこのことチクるぞ??」
「勝手にチクれば??そんなことしても、あんたのものにはならないわよ??」
「な、何でよ??」
桜が不審そうに聞く。
でも、後から聞かなかったら良かったって損した。
「あたしと颯斗、婚約する予定だから」
「は!?ふざけんな。そんな嘘ついても…」
「嘘じゃないし。あたしのお父様が、颯斗のお父様に承諾してくれたのよ」
はぁ!?
お父様!?
もしかして…こいつ。
「だってあたしんち、お金持ちだし。金があれば、どうにでもなるのよ」