この青い空を
あたしと桜は、ビデオを見た。
恋愛モノ。
感動して、涙が出てきた。
内容は、フラれてもその人のことを想い続ける女の子が主人公だった。
最後は、男の子の方が、女の子が大切だということに気が付いて、ハッピーエンドで終わる話だった。
その女の子が凄く、あたしに重なって見えた。
「……うッ…ぅ…」
桜はまだ泣いていた。
目は真っ赤に腫れていて、鼻水はダラダラだった。
「桜…ティッシュ」
「…ぅ…ありがと」
桜は、人ごとのことでも、こんなに泣けるから優しいんだと思う。
あたしなら、ここまで出来ない…。
「もう…こんなのより面白いの見よ!!」
桜は、目を真っ赤にしたまま、違うビデオを取りだした。
それは、お笑い番組。
「「アハハハハ」」
2人で大笑いした。
こんなに笑ったのは、初めてのように思えた。
颯斗と一緒に居たときも、こんなに笑ってたのかな??
あのときの自分のことは、幸せすぎて、あんまりよく覚えていない。