この青い空を
「颯斗…聞いて。お母さんたち、離婚することになったの」
離婚…
俺は、そういうのはテレビでしか見たことがなかった。
「嘘だろ…。何で??」
俺は、唇を震わせながら聞いた。
「お父さんには、もう大切にしなきゃいけない家族がいるの。ゴメンね…ゴメンね…颯斗」
お袋は悪くない。
やっぱり、親父のせいだったのか…。
「颯斗はお父さんについて行きなさい」
「え…何で??」
「お母さんじゃ…颯斗を幸せにすることは出来ないわ」
「………」
俺はお袋の言葉に、ただ頷くしかなかった。
そうして、俺は親父についていくことになった。
でも、親父となんて幸せになれるハズがなかった。
親父の愛人は、20前後。
もうすぐ、40の親父とよく再婚なんて出来るなと思った。
愛人は、とても優しかった。
俺に、お小遣いを沢山くれた。
だが、使う気になれなかった。
それも、1000円くらい貰っていたから。