この青い空を



「ゴメン…あたしにはまだ…」



好きな人がいる…。



何だか無性に、颯斗に会いたくなってきた。



「元彼のことが好きなの??」


「…うん。だから、ゴメン」



あたしは、個室を飛び出した。



「陽奈〜何飛び出して来てんの??」



桜がニヤついている。


きっと様子を見に来たのだろう…。



「ゴメン。あたし、ちょっと寄りたいとこある…」


「ちょっと!!神谷君は!?」


「やっぱ…あたしは…颯斗が好き」


「………」



あたしが、本心を打ち明けると、桜は黙りこくった。



「陽奈がその道を選んで幸せになれるなら、あたしは何も言わない」


「桜…」



いつもありがとう。



あたしが落ち込んでいるときは、傍にいてくれて…。


あたしが苦しんでいるときには、慰めてくれて…。


あたしが嬉しいときには、一緒に喜んでくれて…。


あたしが違う道を行ってるときは、叱ってくれて…。



桜…大好きだよ…。



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