この青い空を



あたしは、必死に走った。



颯斗が、何処にいるかなんて分かんない。


颯斗が、どんな気持ちでいるかなんて分かんない。



それでも走り続けた。



あたしは、何故かM公園に向かっていた。


あたしの好きな公園。


小さいとき、よく遊んだ公園。


海斗に殴られた公園。


颯斗に告られた公園。



色んな思い出が詰まった、あたしの大切な場所だから…。



あたしが、公園に入ると、誰かがベンチに座っていた。



「…颯斗??」



その人は、確かに颯斗だった。



「…陽奈」



颯斗は目を真ん丸にして、驚いていた。



「言いたいことがあって、走ってきた…」



あたしは、息を切らしていた。



「告白の返事か??」


「うん…」



颯斗は黙りこくる。



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