この青い空を
事件
その後、あたしは鼻歌を歌いながらシャワーを浴びた。
ツクツクボウシが鳴いている。
そろそろ夏も終わりか…。
そんなのんきなことを考えていると、誰かが風呂場に入ってくる足音が聞こえた。
「ちょっと〜…あたし入ってるんだけど…」
あたしは、大声で叫ぶ。
「違うのよ…」
お母さんの声が、少し震えている。
「え…!?」
さっきと同じ嫌な予感がしてきた。
「颯斗君が…颯斗君が…さっき事故に遭ったって電話が…」
「え…」
あたしは、声がそれ以上出なかった。
「だから…今すぐ病院に行きましょう…」
あたしは、すぐにタオルで体を拭くと、適当な服に着替えた。
お姉ちゃんとお父さんは、家でいることになった。
あたしはお母さんの車に、急いで乗り込んだ。
「さっきって…」
あたしはまだ信じられなかった。