この青い空を
そう言えば両親はいないのだろうか。
あの時も、颯斗君の家にはあたしたち以外誰もいる気配がなかった。
結構夜遅かったはずなのに。
「あの…両親は??」
あたしは思い切って聞いた。
「俺1人暮らしだけど」
颯斗君は顔色変えずにサラッと言う。
え…。
あたしはその状態で固まる。
ということは…家事は全部一人でやってるの??
すごい…。
「入らねぇの??」
颯斗君は不思議そうな顔をしてこっちを見ている。
「お邪魔します」
あたしはゆっくり中に入った。
そのまま颯斗君の部屋に連れて行かれた。
颯斗君の部屋は結構シンプルで大人っぽかった。
「とにかく座れよ」
あたしは強引に颯斗君に座らされた。
遠慮がちに距離を置く。