この青い空を


でも、もし聞かれたとしても理由は絶対に言えない。


ゴメンね、お姉ちゃん。


でもきっといつか言うから────…



「何があったかは聞かない。でも言えるようになったら、いつでも言って」



あたしはすぐに風呂場に向かった。


急いで乱れた服を脱ぎ捨てる。


そのまま、湯船に使う前に何回も体を擦った。


でも、何回擦ってもあの恐怖感とあの違和感は消えることはなかった。


自分の汚れた体を見るたびに、あの事実を思い出してしまう。


あたしは、その日にすぐにバイトを辞めた。


理由は聞かれたけど適当に、



「学校が忙しいので…」



と誤魔化した。



その日から、あたしは自分の部屋に引きこもり始めた。


お姉ちゃんや、お母さんやお父さん、桜があたしの部屋の前に来たけど、あたしがそのドアを開けることはなかった。


あの恐怖感があたしを襲うのだ。


夜も全く寝れなかった。


寝れたとしても、レイプの夢で目が覚める。


そして、そのままあたしを壊していく。



メールも一日に何回も来た。


来る人は、桜と颯斗が一番多かった。



《大丈夫か??》



全然大丈夫じゃないよ、颯斗。


< 46 / 237 >

この作品をシェア

pagetop