この青い空を
「開けてくれてありがとう」
お姉ちゃんはあたしの隣に座る。
あたしは俯きながら頷く。
「陽奈…守ってあげられなくてゴメンね」
「え…??」
お姉ちゃん知ってたの??
あたしが何されたか分かってたの??
「あたしの友達も同じ経験あった」
お姉ちゃんの友達も??
あたしと同じ…。
「でも、その子は遠くに引っ越した。あたしたちにバレるのが怖かったのかな??」
お姉ちゃんは涙を流しながら答える。
お姉ちゃんの泣き顔は久しぶりに見たかもしれない。
滅多に泣かないから。
「じゃあ…今その子は…」
「分からないの。何処にいるかも、今何をしているかも…」
お姉ちゃんの目はすごく赤くなっている。
そっか。
お姉ちゃんは、あたしの友達みたいになることを恐れてたんだね。
あたしもそんなこと言い出したらどうしようって…。