この青い空を
「あと…陽奈に聞きたいことがあったの」
お姉ちゃんは涙を拭くと、真顔で言う。
「彼氏とは…どうなったの??」
「え…」
あたしはその返事に戸惑う。
たった今別れた何て言いにくい。
「あたしの友達はね…彼氏に何も言わずに引っ越しちゃったの。勿論あたしにさえ、言ってくれなかった」
お姉ちゃんの友達はすごく辛かったんだね。
「別れたんだ…」
「そっか」
お姉ちゃんはそのまま、何も言わなかった。
あたしも黙っていた。
「桜ちゃんに来てもらったら??桜ちゃん心配してたし」
桜か…。
久しぶりに聞く名前。
あたしは桜に電話を掛ける。
『もしもし、陽奈!?』
桜の甲高い声が聞こえる。
「うん。ずっとメール無視しててゴメン」