この青い空を
『そんなこといいの!!ちょっと待ってて!!学校早退して来るから』
そのまま、一方的に電話は切られた。
あたしは、久しぶりに鏡で自分の顔を見る。
今のあたしはちょっと痩せていた。
ずっとご飯を食べていなかったせいだろう。
あたしは、薄く化粧をすると、髪をアップに上げた。
何となく、気持ちを落ち着かせたかった。
あたしはスエットを脱いだ。
あの日から、ずっと着替えてないから。
適当にTシャツと半ズボンに着替えた。
「陽奈〜入るよ」
30分くらいしてから、桜があたしの部屋に来た。
あたしは氷をタオルで巻いたもので、腫れた目を押さえながら、ドアを開けた。
「陽奈〜!!」
桜は涙を流しながら、あたしに抱きついてきた。
久しぶりに見た桜は何だか大人びていて、恋をしているんだなって実感できた。
「そういえば…彼氏さんは??」
あたしはその言葉に酷くビクッと反応する。
「あ〜…元気だと思うよ」
あたしは黙って誤魔化す。
でもそんなことで誤魔化せるほど、桜の目は甘くなかった。