この青い空を
「陽奈…」
桜は下唇を噛みながら言う。
噛みすぎたのか、血が出ている。
「あたしも悪かったよ。何にもしてあげられないから…。こうやって話を聞いてあげることしかできないから」
桜はどんなときも優しかったね。
でも、もう颯斗のことはいい。
別れるって決めた。
それに、あれからメールも電話もない。
もうあたしには呆れたってことだよね??
もうあたしのことはどうでもいいってことだよね??
「あたしね…実は翔さんにレイプされたの」
こんなこと言うの辛い。
今でも信じられない。
相手が翔さんなんて…。
桜もきっと信じてくれないだろう…。
「入れられたの!?」
あたしは、唇を震わせながら頷く。
「妊娠してるか確かめた??流産するなら早めのほうが…」
「ほっといてよ!!」
あたしは桜を睨みながら言う。
「今自分が言った言葉の意味分かってる??」