この青い空を
「今は1人になりたい。ちゃんと1人で考えたい」
自分のことに答えが出るまでは、あたしを1人にさせてほしい。
「分かった…」
桜は頷くと鞄を手に持ってドアノブに手を添える。
「明日も来るからね…」
「………」
あたしは返事をすることが出来なかった。
「バイバイ」
そのまま何も言わずに、桜はあたしの部屋から出て行った。
「…う…」
後から涙が出てきた。
でもちゃんとお母さんに妊娠されたことは言わなきゃ…。
お姉ちゃんを通してでも良いから、ちゃんと言わなきゃ駄目だよね??
「陽奈…大丈夫??」
お姉ちゃんが心配して、あたしの部屋に入ってきた。
「陽奈ちゃんだよね??初めまして。仁です」
お姉ちゃんの横には彼氏らしき人が立っていた。
「せっかくのデートなのに…楽しんで来なよ…」
あたしはドアを閉めようとした。