この青い空を
「えっと…俺さぁ…陽奈のこと本気なんだ」
「え…」
本気??
先輩があたしを。
「だから…彼氏と別れたんなら、俺を代わりにしてもいいから…遊びでもいいから…付き合って欲しい」
真顔の先輩。
でも、答えは決まっている。
まだ、颯斗が好きだから。
あたしは、先輩の気持ちに答えることは出来ない。
でも、ちょっとずつ、先輩に惹かれているのは確かかもしれない。
でも、それは…まだ好きとは言い切れないかも。
「ゴメン。あたしは、まだ…」
「返事はまだいい。分かってる」
先輩は、あたしの言葉を遮るように言い放った。
「待ってるから。ちゃんとした答えが出るまで…」
「先輩…」
「じゃあ、学校戻るから…。陽奈も学校に行け。みんな心配してるだろ…」
そういえば、何日学校に行ってないんだろ…。
数えてみれば、1ヶ月に近いかもしれない。
「行くぞ」
「え!?」
あたし、先輩に腕を捕まれ、無理矢理学校に連れて行かれた。