この青い空を


久しぶりの学校の匂いに、懐かしさを実感させられる。


まるで、何年も学校に来ていないみたいに。



「………」



教室の扉は、あたしを拒否っているように閉められている。



戻ろうかな…。


でも、今から引き返してもな…。



そんなことを考えているうちに、みんなが椅子を引く音がする。


そして、先生が教室から出てきた。


運悪く、この時間は担任の先生が出てきた。



「おぉ、水野。調子は大丈夫なんか??」


「あ…はい」



あたしは、俯きながら答える。



「あれ〜??陽奈〜!!」



桜が、涙を溜めてあたしのところに来た。



「桜…久しぶり」



あたしは力無く言う。



「もう、大丈夫なの??」


「うん。何とか…」


「良かった!!」



桜は、ホッとしたように笑った。


みんなの視線が痛いほど、突き刺さる。


でも、桜のお陰で、何とかクラスに馴染めた。




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