この青い空を



「何があったの??」


「インフルエンザ??」


「いやいや。この時期にインフルエンザはあり得ないでしょ??」



みんながあたしの、陰口みたいなのを言う。


そんな中、桜はその人たちに、



「陽奈は、海外旅行行ってたんだよ!!知らなかったの??」



と誤魔化してくれた。


その優しさが、あたしの心の中にこみ上げてきた。



「桜、ありがと…」


「これくらいお互い様だよ!!ね??」



桜はいつでも優しかった。


いくら冷たくしても…


いくら裏切っても…


全然あたしから離れたりしなかった。


むしろ、寄ってきてくれた。


そう、どんな時も…


あたしにとって、桜は大親友という大きな存在だった。



「そういえば、桜は玲央君と続いてるの??」


「うん。あたし一途だからね」



桜は本当に一途だ。


しかも、桜はこれが初恋だったという。


初恋の相手で、しかも今その人とずっと続いてるなんて、すごく羨ましく思えた。


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