この青い空を
「そっか。じゃあ…空き教室行く??」
「うん」
この学校は、3年の教室の横に空き教室があった。
そこは、人数が減って、その教室が使われなくなったから、今は物置場みたいな感じで使われている。
「あたし…今の彼氏と別れて、自分の何かが狂ってた」
あたしは、先輩に自分の全てを話すことにした。
「そんなとき、先輩が手を差し伸べてくれたんだ。あたし、その時は、彼氏のことでいっぱいだったから、先輩のことなんて、何とも思ってなかった」
先輩は何度も頷きながら、真剣に聞いてくれている。
「でも、何でだろ。月日が経つにつれて、先輩にどんどん惹かれていく自分にさっき気がついた。だから…付き合ってください」
あたしは、顔を火照らせながらも、必死に想いを伝えた。
「まじで??」
嬉しそうに聞く先輩。
「うん」
あたしは、笑顔で頷いた。
でも、これで1つ失ったものがあった。
それは、颯斗という存在。
もう、先輩と付き合ったら、あたしは颯斗の元に戻れない。
もう、こんなことは考えるの辞めなきゃ…。
自分で決めたことなんだから…。
もう、考えない。
ちゃんと忘れる。