この青い空を
「あの…あたしね…」
まだ、颯斗のことが好き!!
そう言ったら、颯斗はどんな反応するかな…。
そう言ったら、未来は変わってたかな…。
でも、そんなこと言ったって、颯斗が困るだけだよね。
颯斗には、もう新しい彼女がいるんだもん。
言いたい気持ちをグッと抑えた。
「ゴメン。やっぱり何でもない」
「何だ、それ」
颯斗は、ケラケラと笑った。
もう、これで本当に最後。
あたしが、桜についていかなかったら、もう会うことはないよね??
「じゃあ…バイバイ」
「おう」
あたしと、颯斗は別れた。
まだ、離れたくなかった。
本当は、ずっと一緒に居たかったよ。
ずっと話していたかったよ。
あたしは、溢れてくる涙を流さないように、上を向いて走った。
「陽奈〜」
桜が手を振って呼んでいる。