カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「うん…。好きです。」


またドキドキしてしまった。


私、先生以外の人に『好き』って言ってばかりだな。

「…そう。もしかして、付き合ってる…とか?」


「付き合ってないです。」

ブンブン首を振った。


先生に理科準備室で勉強を教えてもらった時、そういう風に見えたのかな…?


「そうなんだ。最近よく話しているところ見かけていたから…。私がフラれた本当の理由もそれかなって思ってたんだけど…。」


「理由…ですか?」


なんとなく聞いてしまった。


「先生、私が告白したら、『大切な生徒だけど、それ以上には見れない』ってキッパリ断られたよ。本当に申し訳なさそうに謝りながら。」


伊原さんは、悲しげな表情をしている。



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