カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「先生にとって、生徒は『生徒』のままなのかもしれないね…。でも、私も先生のこと好きだよ。」


伊原さんは、帰って行った。




私は、しばらくそこで立ったままだった。


先生が伊原さんに言った言葉…。


もしも今、告白したら…


私も同じこと言われてしまいそうな気がした。


先生は私1人だけの先生じゃない。


みんなの先生だもんね。


たくさんの生徒から1人の生徒を好きになるなんて、ありえないのかな?


先生と生徒の関係だと、結ばれることってないのかなあ…。


夕焼けの光は、いつもより寂しく私を照らしている気がした。



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