カレイドスコープ〜先生を想う日々〜
「愛菜って、バレー見るのが好きだったんだな。楽しそうじゃん。」


バレーじゃなくて、入江先生が好きだから来てるんだけど…。


「渚も早く練習戻った方がいいんじゃない?


コートの方で先生が生徒を集めているのが見えた。


「そういえば愛菜、この前貸した本は?」


急に前に借りた本の話になった。


「持って来たよ。今渡そうか?」


カバンから本を出そうとした。


「もうすぐ部活終わるから、帰りでいいよ。」


渚はコートに走って行った。


先生は、部活の終わりに生徒を集めて大きな声でアドバイスをしていた。


体育館に先生の声が響いている。


私は、声を聞きながら先生に視線を送っていた。



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