カレイドスコープ〜先生を想う日々〜

苦渋の決断

修学旅行当日。


私はベッドの中にいた。


「39,0℃…。かなり熱あるわね。」


お母さんは体温計を見ながらつぶやいた。


私の願いもむなしく、熱は下がるどころか上がってしまった。


「修学旅行は欠席の連絡入れておいたから。今日はゆっくり休みなさい。」


お母さんは優しく微笑んだ。


昨日…無理して学校行くんじゃなかった…。


後悔がどっと押し寄せた。


高校生活の大切な思い出になるイベントなのに。


入江先生も一緒に行く旅行なのに。



行けなくなったら意味ないじゃん…。



楽しみにしていた分、なんだか泣けてきてしまった。


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